Clubhouseで話題、「日本語、お上手ですね」の一言に、密かに外国人が傷ついている件
先日、音声型SNS「Clubhouse」で立ち上がったあるルームがにぎわっていた。
「外国人への“日本語お上手ですね”は失礼なのか」
ルームでは、参加していた外国人の本音に「今まであいさつ代わりに使っていた」、「気付かなかった」という日本人の戸惑いの声が多く聞かれたのだが、実はこの「日本語お上手ですね」は、かなり昔から来日した外国人の間で頻繁に議論になる“定番フレーズ”である。

日本人からすると、決して相手の気を悪くさせるつもりで言ったわけではない。外国人が日本語を使ってくれていることに対して、むしろ感謝の意すら込めて褒めたつもりでいる。が、そんな思いとは裏腹に、外国人の中にはその言葉に違和感を抱く人たちがいる。
なぜ挨拶したくらいで…?
筆者は約10年、留学生や海外からの駐在員に日本語や文化を教える日本語教師をしていた。出会った外国人は、60の国と地域から約4,000人。文化の違いによる「奇跡」や「悲劇」をこれまで数多く見てきたが、この「日本語お上手ですね問題」に対しては、「違和感がある」「疎外感を抱く」「嫌味に感じる」とする外国人の声が少なくなかった。
イギリスから約10年前に来日し、都内で外資系企業を経営している元生徒の40代男性は、仕事で初めて出会う日本人に「本日はどうぞ宜しくお願いします」と名刺交換しながら日本語で挨拶をするたび、「おお、日本語お上手ですね」と驚かれることに、そこはかとない違和感と疎外感を覚えると話す。
「ある時は会議室にいた4,5人の日本人に、なぜか手を叩いて褒められた。たかが挨拶したくらいで。正直全く嬉しい気持ちにならなかった」
妻は日本人。アクセントはあるが、ビジネスで使う日本語は問題なく理解できる。
モヤモヤしながらも、彼は「いいえ、まだまだです」と、無理やり作った笑顔の前で手を小さく振りながら謙遜したのだが、それを見た日本人たちのリアクションが、さらに彼の心に影を落とした。
「皆さん、今度は一斉に笑ったんです。面白いことを言ったつもりもやったつもりも全くないのに」