早めにハイシニアに備えよう!

上記に挙げた以外にも、シニアには様々な病気が起こる可能性がある。その全てを紹介することはできないが、どんな病気が起こりうるのか少し想像してもらえただろうか。

シニアの病気は、「歳だから」とついつい見逃しがちであるが、だんだん悪化して、最終的に体重が健康時の半分に減り、寝たきりになってから治療をし始めたのでは、あまり治療の選択肢がない。早め早めに異変を見つけ、その都度サプリや適切な治療をすることにより健康寿命を延ばしてほしいと思う。

犬の介護は人間の0歳児の赤ちゃんの面倒を見るようなものと言われている。排泄もコントロールできず、ご飯も自力では食べられず、基本的にはずっと寝ているが、夜泣きをすることもあるし、目を離した隙に思わぬところに行き、挟まってケガ、といったトラブルになることもある。

年齢を重ねるとできなくなることも増えてくるが、それは人間も犬も同じ。当然のことだ。photo/Getty Images

人間の場合は育児休暇が取れるが、犬の介護ではそうはいかない。なるべく介護になる状態を避けるためにも、定期的な健康診断や若いうちからのお散歩習慣で筋力を維持し、昼夜逆転しないようメリハリのある生活を心がけ、健康寿命を伸ばしていきたい。

介護の大変さは、おそらく当事者でなければ分からない。ひとりで抱え込み、どうしようもなくなって、最後の最後に遺棄という選択に行き着かざるを得なかった人も中にはいるのだと思う。認知機能不全でひどい夜鳴きに悩まされ、家族全員眠れなくなってノイローゼ状態になり、眠れない犬も人間もつらいと安楽死を希望される方もいる。

しかし、動物病院で働く身としては、その決断に至る前に、もっと早くに相談して欲しかったと思うことも多い。最近ではペット保険会社が相談窓口を開いていることもある。動物病院に相談するのをためらう方は、そういったところにまずは相談してみても良いだろう。

大切なのは、シニアの変化に早めに気づき、対策をとること。このコラムがその気づきのきっかけになり、幸せなシニア犬が少しでも増えてくれたら幸いである。

「いつまでも幸せに長生きしてほしい」という切なる思いのためにも、早めのケアを心がけて。photo/Getty Images