高齢者や医療従事者の“躊躇”は少ない
スピードを加速させているのは、政府によるワクチンキャンペーンの積極的な働きかけだ。接種は全額公費(無料)で行われ、自分の健康のみならず、愛する家族や周りの人への「思いやり」として接種を行うよう、メディアや広告を通して人々に呼びかけている。
ワクチンが解禁されてからというもの、新型コロナによる国内の累計感染者数は3220万人、死者数57万人を超えたアメリカでは、特に高齢者や持病のある人、感染リスクの高いエッセンシャルワーカーなどのワクチン接種への“躊躇”はあまり見られない。
春の到来と共に筆者の周りでも、「接種が終わった」「今度2回目を受ける」などといった安堵の声を頻繁に聞くようになった。
そんな中、CDC(米疾病対策センター)は4月27日、新型コロナに関する新指針を発表した。
それは昨春以降、一部を除き多くの州で義務付けられてきたマスク着用について、ワクチン接種を「完了」した人は、屋外での少人数での活動や会食においてマスクを着用しなくても良いとするものだ。
大規模集会やイベントは屋外であろうとも引き続きマスクが必要だが、「以前の生活」「正常な状態」に戻る兆しが日々、このように「可視化」されてきている。
バイデン大統領も同日の記者会見で「これらの規制緩和は若い世代にもワクチン接種の必要性を納得させるのに役立つはずだ」と述べた。

その前週の4月19日からは、全州で16歳以上のすべての人がワクチン接種対象と大きく舵を切ったため、接種数の伸びは極めて順調だといえる、これまでは……。