2021.05.06
# 韓国

韓国がアピールする「GDP世界10位」、それがメチャクチャ「もろい数字」だと言えるワケ

高安 雄一 プロフィール

まず韓国の2019年のGDPの順位は12位であった。具体的な水準はドル表示で1兆6467億ドルであったが、これに近い水準の国は、9位のブラジルが1兆8771億ドル(韓国より14.0%高い)、10位のカナダが1兆7416億ドル(5.8%高い)、11位のロシアが1兆6893億ドル(2.6%高い)、13位のスペインが1兆3936億ドル(15.4%低い)、14位のオーストラリアが1兆3915億ドル(15.5%低い)であった。

ちなみに8位のイタリアは韓国より21.8%高い水準、15位のメキシコは韓国より22.9%低い水準であり、それぞれ水準には20%以上の差異がある。

2020年には、韓国がこのうち9位のブラジルと11位のロシアを抜いた一方で、スペインやオーストラリアには抜かれなかったため、順位が2位高まった。しかし11位のロシアは2019年時点で韓国より2.6%GDPの水準が高いに過ぎなかったので、1年間で逆転することは可能であったが、9位のブラジルは14.0%も高かった。

いくら韓国の2020年の成長率が他国に比較して落ち込みが小さかったからといって、10%を超える差がなぜひっくり返ったのであろうか。

 

ロシアとブラジルの数字

まずロシアを見てみよう。ロシアの2020年の成長率は実質で3.1%減であり、韓国の1.0%減より減少幅が大きかった。よってこれだけでも韓国がロシアを逆転する可能性があったのであるが、決定的な要因は為替であった。2019年から2020年の間にロシア・ルーブルはドルに対して11.8%価値を減じており、ドル換算するとロシアのGDPは10%以上減少したことになる。

一方、韓国・ウォンは1.2%の減価に過ぎず、ドルに対する自国通貨の下落率の差が決定的な要因となり、これに若干の成長率の差も加わって、2020年は韓国のGDPがロシアを完全に抜き去ることとなった。なおルーブルの下落は、コロナ禍による原油価格の下落などによるものである。

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