2021.05.06
# 韓国

韓国がアピールする「GDP世界10位」、それがメチャクチャ「もろい数字」だと言えるワケ

高安 雄一 プロフィール

次にブラジルを見てみよう。ブラジルの2020年の成長率は実質で4.1%減であり、韓国より減少幅が大きかった。しかしこれだけでは2019年時点で14.0%も高かったブラジルのGDPを韓国が逆転する可能性はない。

よって他に原因があるのだが、これもやはり為替であった。2019年から2020年の間にブラジル・レアルはドルに対して30.5%価値を減じており、ドル換算するとブラジルのGDPは30%以上減少したことになる。ブラジルのレアルが減価した理由としては、コロナ禍により新興国のリスクが高まり投資家がブラジルへの投資に慎重になっていることが挙げられ、ブラジルでこの影響が大きく出たといえよう。

ちなみにカナダは、2020年の成長率は実質で5.4%減であり、ロシアやブラジルより落ち込みが大きかったが、2019年から2020年の間にカナダ・ドルは米ドルに対して1.2%しか減価しておらず、韓国・ウォンの1.1%の減価とほぼ同じであった。よって、2019年時点で韓国より5.8%ほどGDPの水準が高かったカナダは、韓国に順位を抜かれることはなかった。結局、ロシアとブラジルは、主に為替の大幅な減価により韓国に逆転を許したこととなる。

 

一人当たりGDPはどうか

さらに一人当たりGDPを見てみよう。2019年におけるイタリアの一人当たりGDPは3万3220ドルであり、韓国の3万1846ドルと比較して4.3%高い水準であった。しかし2020年のGDP成長率は、イタリアはコロナ禍の影響を大きく受けマイナス8.9%と大幅な減少となってしまい、マイナス1.0%の韓国より8%ポイントほど低い水準となってしまった。

ちなみに、2019年から2020年の間にユーロはドルに対して2.0%の減価にとどまっており、韓国・ウォンの1.1%の減価に近い数値であった。イタリアのケースでは、コロナ禍による成長率の大幅減が影響して、一人当たりGDPで韓国に抜かれることとなったのである。

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