政治こそが「災厄」となった絶望の時代を、私たちはどう生きるべきなのか?

白井聡著「主権者のいない国」を読む

怒り方を忘れた日本人

とある中華料理屋で食事をした時のこと。店内に置かれたテレビからは、各国のコロナ対策に関するニュースが流れていた。その店は台湾出身の店主が切り盛りする店だったので、会計時、他愛なく台湾政府の対応を称えたところ、思いがけない言葉をもらった。

「日本の人は政府のやり方にどうして怒らないの? もっと怒ればいいのに!」と。

私の口から思わず出たのは、

「怒り方がわからないんですよね……」

という、なんとも情けない答えだった。言った自分も苦笑い。

店主は一瞬呆れたような、でも何かを納得したような笑顔で、応援する言葉をかけてくれた。ただそれからずっと考えている。

怒るって、どうやったらいいんだろう?

本書『主権者のいない国』は、著者いわく「『統治の崩壊』と言うべき段階に陥った」現在の日本政治や社会について、さまざまな媒体で発表された考察や分析をまとめた1冊である。もともと政治思想史の研究者であった著者は、2011年に起きた福島第一原発の事故を機に、そうした時事的な発言へも踏み込むようになったという。

  • 『成熟とともに限りある時を生きる』ドミニック・ローホー
  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
  • 『志望校選びの参考書』矢野耕平
  • 『魚は数をかぞえられるか』バターワース
  • 『神々の復讐』中山茂大