2021.05.08
# エンタメ

夏目三久引退に対する「違和感」の正体…有吉弘行の言う「すれ違い」は本当に防げるのか?

おおしま りえ プロフィール

本当に、時間のすれ違いがなくなるのか?

今回の引退報道に関しては、「金銭的な余裕があるのであれば良いよね」いう、ある種“昔ながらの家庭像”を支持する声が大多数を占める一方で、「報道に関わる人間が結婚引退というのはどうなのか?」といった、女性活躍を推進する一部層からの批判の声もあったようです。どちらも思想の問題なので、個人的に否定するつもりはありません。

筆者が覚えた違和感はそういった思想の問題ではなく、あくまでもパートナーシップの建設的な構築を考えたとき、「すれ違い防止のために妻が引退して時間的余裕を持ち、多忙な夫のリズムに合わせる」という選択が、全然合理的に見えない点なのです。

Photo by Gettyimages
 

ここで言うすれ違いとは、夫と妻の生活リズムのズレによって、顔を合わせたり一緒に過ごしたりする時間が減ることを指します。

夫婦の満足度は会話の時間が伸びるほど高まるといったデータもあるので、時間のすれ違いを減らす取り組み自体は有効です。
※参考記事:夫婦の会話アンケート調査(NHK クローズアップ現代+)

問題なのはその取り組み方の中身です。本当にすれ違いを阻止するために生活リズムを見直そうと思ったら、片方が退職して相手に合わせるよりも、双方が仕事をそれぞれ調整させた方が合理的です。何なら妻が9割仕事を減らし、夫が1割だけ減らすでも良いでしょう。

多忙で帰宅も遅い夫に合わせ、妻は常に待つ側に回る。確かに妻側はのんびり出来て良いですが、その生活スタイルが合わなかったときの不満は言わずもがなです。そもそも社会との関わり方の大きな差が、もう1つの危惧材料としてあった「価値観の違い」を加速させる可能性もあります。

レギュラー番組を持つフリーアナウンサーという立場に、時短といったフレキシブルな対応は難しかったのかもしれません。とはいえ「安らげる場所」は仕事を辞めないと作れないのかな……やっぱり違和感は残ります。

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