2021.05.23
# エンタメ

ダウンタウン大成功のウラで、「新人類・バブル世代」は一番苦しい世代でもあった

原田 曜平, ラリー遠田 プロフィール

テレビ局の栄枯盛衰

ラリー:私や原田さんは、一般的な世代論では「団塊ジュニア世代」の後半、お笑いでは「第六世代」にあたりますよね。この世代って、そうやって自由を謳歌してきた上の世代に憧れていたのに、いざ社会に出ようとしたら就職氷河期という壁にぶつかるんですよね。

お笑いで言うと、養成所に入ってみたら同期だけでも何千人もいて、その中で競争して勝ち上がれるのがほんの数組、っていう世界で。そこを生き延びてテレビの世界に入っても、自分たちが憧れてきた先輩たちが現役で残っていて、その人たちを倒さないといけない。

原田:で、ようやく上の世代の影響力がちょっと少なくなってきたと思ったら、この数年で下の世代が出てきちゃって。いつかたけしさんになれると思っていたのに、急に俺たちごと世代交代されちゃうの、みたいな感じになっているというか。

ラリー:バブル崩壊って90年代前半の結構早い段階で起こっているんですけど、テレビ業界はそこですぐには終わらなくて。

原田:何ならちょっと伸びてたんですよね。

ラリー:そうなんですよ。マスコミ業界は好景気のピークがズレていて、バブル崩壊後もしばらくは景気がいい時代があったんです。で、我々の世代ってその景気がいい時代のバラエティ番組を見ているから、テレビってすごいな、って思いながら育っていたんですよね。

それで、私自身もテレビの制作に興味を持って、就職活動でテレビ局を受けたりしていたんですけど、就職氷河期のど真ん中でめちゃくちゃ競争率が高かったんです。本当に数千人受けて受かるのは数人、みたいな世界で。

〔PHOTO〕gettyimages
 

原田:僕もそうです。僕も「月9」に憧れて、フジテレビが第一志望で。

ラリー:あの時代はそうですよね。第一志望はみんなフジテレビで。視聴率では日本テレビも競ってたんですけど、イメージが全然違っていて。オシャレで面白いのはフジテレビだっていう絶対的な感覚がありましたよね。

原田:日テレは強かったけど、若者にはややダサいってイメージが当時はあったんですよね。その後、ゆとり世代が幼少期頃から逆転し、日テレがオシャレな存在になり、多くの若者は日テレ世代となり、Z世代の時代になるとそもそもテレビ自体がダサい存在になりつつある。長らくテレビが世帯視聴率にこだわって若者を無視し続けたツケが回ってきたとも言えますが。今、コロナ禍でテレビの視聴率は上がっているのに、広告がとれなくなっており、テレビ史上恐らく最後にして最大のピンチがやってきているのですが、その意識がテレビ局にあるのかが疑問です。

話を僕がフジテレビ志望だった時代に戻すと、僕は親父がたまたま当時の小渕(恵三)総理大臣と同級生だったので、大して交流ないんですけど、親父に頼んで小渕さんのところに行って、推薦書を書いてもらったりして。もちろん自己PRもしっかり練って、OB訪問も死ぬほどやって、もう盤石で行こうと思って。でも、最終面接で落ちちゃったんです。

ラリー:それでも受からなかったんですね。

原田:広告業界に志望を移し、結果、博報堂に行かせて頂くことになったんです。全く広告に興味はなかったんですが。当時はテレビ業界って本当に夢だったですよね。それがこの数年でテレビはずり落ちましたね。本当に優秀な子たちが受けなくなった。あるいは受けても(内定を)蹴るようになりました。そういうのを見ると悲しいですけどね。

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