無機物に命を宿す。「絵本」へ込めた想い
動物や食べ物などが主流な絵本の世界ですが、なぜ無機物に命を宿すのか。はっとりさんに想いを伺いました。
「僕は、絵本を作る中で「想像力」を大切にしています。身の回りにある物がもし動き出したら、どんな面白いことが起こるのだろうかということを、常に考えています。
今回の『ぽっかりライトせんせい』も、もし家電が動き出したらと考え始めました。
そして、具合の悪い家電たちが、懐中電灯のぽっかりライトせんせいに照らされて診察してもらい、元気になって笑顔で帰っていくというストーリーが浮かんだのです。
今までにないものを作り出すということにおいては、この想像力が必要不可欠です。
その想像力によって身近なものに命を吹き込み、その絵本によって子どもたちに何かしらの刺激として良い影響が与えられたら嬉しく思います。」
はっとりさんのお子さんは、絵本はもちろん、機械が大好きだそうです。
インタビューの最後には、「これからも世の中の子どもたちに「想像力」を働かせるきっかけとなる愉快な絵本を作り続けていきたい」と熱い想いを語ってくれました。
楽しみながら、知らず知らずのうちに、芸術だけでなく、身の回りのものに想像力を働かせ、興味を持つきっかけを作ってくれる絵本。
親子のコミュニケーションツールとしても最適ですが、世界が力を入れているSTEAM教育の入り口としても、注目してみてはいかがでしょうか。
『ぽっかりライトせんせい』はっとりひろき・作(講談社) ぽっかりライトせんせいは、お医者さん。患者さんは、目覚まし時計に、掃除機に、冷蔵庫!?そうそう。ぽっかりライトせんせいは、懐中電灯なんです。頭のライトで、みんなの不調は、見逃しません。決めゼリフは「ぽっかりライト!」。今日はどんな患者さんが来るのでしょうか。ぽっかりライトせんせいと、その仲間たちが繰り広げる、小さくて愉快なお話。