日本の被差別階級「弱者男性」の知られざる衝撃実態…男同士でケアすればいいのか

トイアンナ プロフィール

フェミニストだけが「加害者」に見えてしまう

弱者男性がその弱者性を訴えると必ずといって出てくる議論が、「男同士でケアすればいい」論である。これは、現代社会とは信じられないほど差別的である。最近ネットで掲載(いずれもはてな匿名ダイアリー)された、弱者男性への意見を見てみよう。

・弱者男性は弱者男性同士でセックスすればいい
・弱者男性の安楽死を合法化しよう
・正直弱者男性のことなんかどうでもいいし、死ねばいい

言語道断の差別である。特に1番目の「弱者男性は弱者男性同士でセックスしていればいい。そうすれば女性は気持ち悪い男性の被害に遭わずにすむ」という論調は、しばしば見られる差別だ。

これを「黒人は黒人同士でセックスしていればいい」「女は女同士でセックスしていればいい」といった置き換えをすると、いかに過激な差別思想がそこにあるかがはっきりする。しかし、この発言が弱者男性にはいとも簡単に投じられてしまう。これこそ、日本の弱者男性差別の正体である。

 

こういった差別をしているのは、一部フェミニストだけではない。自分を強者側と信じている人たち――弱者男性を対岸の火事としてしか見られず、自分が弱者になる可能性を全く感じられない人たち――が、ネットで気軽に誹謗中傷を行っている。

ただ、弱者男性の目線で見てみると、そうは見えない。なぜなら、強者男女はそもそも、弱者男性を無視するからだ。弱者男性を「実力がないために貧困に陥った、独身男性」としか見ていない強者の男女は、弱者男性の悲鳴を「努力してこなかった人の嘆き」として無視する。

しかし、フェミニストにとって弱者男性の嘆きは無視では済まない。「男性だってつらいんだ」論は、時に「女よりも、男はつらいよ」と曲解ながら比較級で捉えられがちだからだ。相手の辛さに共感する前に、自分への差別を無視されてしまうわけである。

ややこしいことに、フェミニストの中にも、単に「男性へ今まで受けた恨みつらみを晴らしたい」層がいる。学術的に”男嫌い”は「ミサンドリスト」として、フェミニストとは違うグループに属するのだが、日本では少なくとも彼女らもフェミニストと名乗っている。だから、フェミニスト=男を叩きたい女たち、とみなす人も少なくない。これらの自称・フェミニストは、男に「私達のほうがつらい」合戦をしかけてしまい、議論は平行線となる。

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