大活躍の大谷翔平はどれほど凄いのか…メジャー球団記者たちはこう見る

スポーツだけでなく社会への好影響も
谷口 輝世子 プロフィール

子どもたちにもいい影響を与える?

野球界だけでなく、さらに、視界を広げてみたい。大谷の活躍は米国社会に何らかの影響を与えているのだろうか。

米国内には、アジア人は白人や黒人と比較して身体的な強さに劣るというステレオタイプがあることを否定できない。大谷はそういった固定観念とは正反対のパフォーマンスを見せつけている。大谷の存在は、米国内にある先入観を揺らしているのだろうか。米国の専門家たちにメールを通じて取材をした。

〔PHOTO〕gettyimages
 

移民や人種問題に詳しい、ロヨラメリーマウント大学でアジアやアジアンアメリカン研究のエドワード・パク教授は自身も熱心な野球ファンだという。

「アジアの野球選手はパワーよりも精巧さというステレオタイプはあるでしょう。精密さ、継続性、スピード、守備、修養などで、このプレースタイルを象徴し、メジャーの最高レベルにあったのがイチロー選手だったと思います。イチローが技巧、精密さのレベルで最高だったのと同じレベルの高さでパワーヒッターとして成功を約束されているのが大谷でしょう」

また、大谷の存在は、スポーツをするアジア系アメリカ人の子どもと、その指導者にも好ましい影響をもたらしているようだ。

カリフォルニア州立大フラトン校のクリスティーナ・チン助教授は、バスケットボールなどのユーススポーツの場で日系米国人の子どもたちが、他の人種と比べるとアスリートとして劣るというステレオタイプに晒されていたことを研究結果から導き出した人である。

「アジア人、アジア系米国人のスポーツをする子どもたちは、プロスポーツの世界で(自分たちと似ている)彼らが表現するのを見続けることで、以前は見えなかった、あるいは稀だった方法で自分たちを思い描くことができます。身体的に圧倒的な強さを持ち、運動能力に恵まれ、チームメートの中でリーダー的な存在になり、スポーツ界の人種的な壁を破ることができたと、自分たちに反映させるでしょう」と返事をくれた。

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