急成長する中国のアイドル文化
中国のアイドルがスゴい。
と言われてもぴんと来ない人が多いのではないか。「歴史ある日本のアイドル文化に勝てるの?」「韓流アイドルは聞いたことはあっても、中国アイドルなんて聞いたことがないよ」という方がほとんどだろう。
確かに世界的に見れば中国アイドルはまだまだ無名、傍流の存在だが、その勢いはすさまじい。中国の経済や技術は過去20年間クレイジーな勢いで発展を続けてきたが、そのスピード感と勢いはエンタメ、アイドルの分野にも及んでいる。
中国のアイドル・カルチャーを牽引するのはオーディション番組だ。「中国版ネットフリックス」とも言える動画配信サイトの二強「テンセント・ビデオ」と「iQiyi」(アイチーイー)が、会員獲得競争の目玉として莫大な予算を注ぎ込んで、超ゴージャスな番組を作成している。
今年最大のヒットとなった、テンセント・ビデオのアイドル・オーディション番組「創造営2021」は全10話の累計再生回数がなんと50億回を突破。単純計算すると、5億人が視聴したことになる。まさに怪物番組だ。

また、番組は中国語以外に、英語や日本語など8カ国語の字幕版が配信された。日本でのPRを担当しているエーランド株式会社の安田加奈子代表によると、日本語ツイッターで4万回以上の関連リツイートを記録するなど、日本でも熱いファンが育ちつつあるという。