GDPを伸ばしながら温室効果ガス排出はマイナスに
そのためデカップリングでは、資源利用の絶対量をマイナスにするところまでやりきらなければならない。そして、UNEPの国際資源パネルが、過去のデータから導き出した結論が、社会の繁栄が一定の状況を超えると資源利用の絶対量を削減できるようになるというものだった。
図をみてみよう。これは先進国と新興国の合計6ヵ国のGDPと温室効果ガス排出量の推移を調べたものだ。

先進国のドイツ、スウェーデン、イギリスでは、1990年と比較し、GDPを伸ばしながらも温室効果ガス排出量はマイナスになっていることがわかる。一方、中国、メキシコ、トルコの新興国では、GDPを伸ばしながら同時に温室効果ガス排出量も増加している。特にメキシコとトルコでは、GDPと温室効果ガスがほぼ同じ比率で伸びてしまってきていることがわかる。
これは、UNEPの『デカップリング』報告書が示していた内容で、繁栄が一定の状況を超えるとデカップリングが実現できていることをまさに実証したものだ。