Cotton+Wool

Tシャツ+フェルトで冬のレイヤードに。

「メリノやアルパカなど高品質の繊維動物の(皮を取らずに)毛だけ刈り取り、愛情を込めて育てているオレゴンの女性とその家族の農場に出会えたのも幸運でした」。撮影協力/Shop Boswell

持続可能なシンプルライフを志すクリスティーナ・フォーリーにとって、環境に優しく、実用的で、美しいライフスタイルと交錯したところにアートは宿る。「そこで地産のウールをフェルト化し、中古のTシャツを防寒着に早変わりさせるアイデアが閃きました。“修理と再利用”がテーマのPTMへの挑戦でもあります」。

ウールを布と共にフェルト化すると、結合した2つの素材からは独特のシワ感が生まれ、普通のTシャツがコーディネートの主役へと様変わりする。

地元のものを慈しみ創造する生活は長年暮らしたイタリアからも学んだ。

「今、急速に深刻化する気候変動問題も考慮しました。新しい服を闇雲に買うのではなく、手元にあるTシャツに地元のファームで大切に育てられた羊の毛を結合する知恵を生む。身の回りにすでにある豊かさに気づき、それを実用化させることも私にとっては大切なアートであり生活の一部です」
www.foodshelterclothing.squarespace.com

 

Ghost Net Landscape

ゴーストネットから生まれる新しい海の物語。

左から機織りや羊毛を紡ぐシェルビー、人形作家のシャー、リサイクルアートを手がけるエミリー。撮影協力/Crema Coffee + Bakery

アーティストのエミリー・ミラー、シャー・コールマン、シェルビー・シルバーの3人が、各地の浜辺から集められたプラスチック漁網から人形を作成。「変革の海の物語」という人形劇を創作しながら配信も行ったインスタレーション企画。

ユニークなのは、街のカフェの片隅で大量の漁網と戯れながら製作する過程を1ヵ月にわたって観覧できたこと。さらには市内各所で材料キットを配布し、一般の人たちも人形作りに携わり、物語の一部となれる仕掛けを配したことだ。

「漁師やサーフライダーたちのレスキューネットワークには感謝しているわ」とエミリーとシェルビー。

「使い道のない大量の網を前に私たちは無力感に苛まれがちですが、これを創造の糧と捉えて引き寄せると、そこには様々な物語や喜びが生まれる。それらをコミュニティとつなぎ合わせて広めていくことで、アーティストとして自然環境という巨大な問題に取り組めると信じています」
www.ghostnetart.com
www.sherecoleman.com
www.shelbysilver.com


●情報は、FRaU2021年1月号発売時点のものです。
Photo:SHINO Text:Sakiko Setaka Edit:Asuka Ochi

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