習近平の「一世一代の大仕事」が凍結に…中国「戦狼外交」が“裏目”に出てきた!

「したたかな中国外交」は死語になった

EUの拒絶の意味

欧州連合(EU)議会は5月20日、EUと中国が昨年12月に合意した投資協定をめぐり、その批准手続きを凍結する決議を圧倒的な賛成多数で採決した。

こうなったことの直接な理由は、EUに対する中国側の報復制裁にあった。

中欧投資協定交渉会議でのメルケル・ドイツ首相 by Gettyimages

3月22日、EUがウイグル人への人権侵害を理由に中国に制裁措置を発動したことに対し、中国は報復の制裁をEUにかけた。上述のEU議会決議はそれに反発し、中国が制裁を解除するまでに投資協定の批准を審議しない姿勢を明確にしたものだ。

EUの対中国制裁措置と中国の報復措置の中身は後述するが、とにかく今の時点では、EUと中国の間の制裁の応酬は結果的に、EU議会における投資協定の審議・批准をストープさせることとなった。一旦合意された協定の成立はかなり危うくなっているのである。

 

しかしそれは中国にとって、実に重大な外交上の頓挫であって、多くの戦略上の展望が一気に崩れかけているという深刻な出来事である。

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