2021.05.28
# 学校・教育

4月に担任不在…全国で保育士の「一斉退職」が止まらない“深刻すぎる実態”

「藤岡市の私立保育園で保育士18人のうち17人が一斉退職」(2021年3月26日、上毛新聞)、「保育士と園長が一斉退職、不適切経営訴え……保護者らは当惑」(同年3月31日、神戸新聞)、「保育士ら17人が宮城県湧谷町で退職」(2020年11月26日、KHB東日本放送)――。

全国各地の保育園で保育士の一斉退職が後を絶たない。いったい、現場で何が起こっているのだろうか。

〔PHOTO〕iStock
 

地獄のピアノレッスン

「引き金になったのは、副園長のパワハラでした」

一斉退職したなかの一人、保育士の優子さん(仮名)が内情を明かす。優子さんが勤めていた認可保育園は東北地方の都市部にあり、2021年3月末に正職員として働く保育士11人中9人が退職に踏み切り、主任保育士以外の常勤で勤める保育士が全員、職場を去っていった。

この認可保育園をA保育園としよう。A保育園では昨夏、40代の女性の副園長が突然、「うちは音楽で特色を出す」と言い始め、地獄のようなピアノレッスンが始まった。保育中であるにもかかわらず、「はい!先生、レッスン!」と呼び出され、保育士が保育室を離れなければならなくなった。

副園長の思うようなピアノが弾けないベテラン保育士は、「毎日やっているのに、あなた、なってない!基礎からやって!」と叱責された。やがて副園長のパワハラのターゲットになり、就業時間が終わって帰ろうとしただけで、「え?なんで、あんた上がるの?上がれないよね」と残業を強いられるようになっていった。

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