多くの人が知らない…東京五輪、定員超が応募した「スポーツドクター」の“リアル”

現場の医師が語る
世良 泰 プロフィール

スポーツドクターは普段何をしている?

それでは参加する予定の医療従事者たちは普段どのような仕事をしている人たちなのでしょうか。

スポーツドクターには様々な形がありますが、プロスポーツチームの専属医師としてチームに常に帯同している医師は多くありません。プロスポーツチームのドクターと言っても、試合の際に一緒にベンチに入るような医師もいればケガや病気になった場合にのみ対応する人もいます。

写真はイメージ(photo by iStock)

その場合多くの医師は、普段は診療所や病院で勤務し、夜の試合や休日に帯同したり、自分の勤務する医療機関に受診してもらったりしています。つまり常にスポーツ選手だけを診察しているスポーツドクターは多くないということです。

また各競技団体の医療従事者も競技団体専属ということはほとんどなく、チームドクターと同様に普段は診療所や病院で働いていることが多いです。競技団体によって異なりますが、整形外科に限らず内科や産婦人科などを専門とした医師もいます。国内大会や国内で行われる国際大会などのメディカル部門を担当したり、その競技の日本代表が海外に遠征する際に帯同したりするなどします。

既にお話しした通り、競技団体によって医事委員の数も規模も大きく異なりますので、日本代表の国際試合にメディカルが帯同できない団体などもあります。

 

スポーツドクターの資格として、日本には主に4つの資格があります。スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会認定健康スポーツ医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医の4つです。

この中で日本医師会認定健康スポーツ医はその名前の通り、地域の健康増進に関わる医師で、日常診療の中で運動処方を行ったり、学校医として運動やスポーツに関わったりします。一般的なスポーツドクターのイメージとは異なるかもしれませんが、資格としてはスポーツドクターということになります。

今回のオリンピック・パラリンピックでは各競技現場の医師は各競技団体で募集し、会場医務室や選手村などの医師については、組織委員会からスポーツドクターの有資格者などに対し、学会を経由して募集が行われました。このような募集は自国開催でなければ行われないため、ボランティアとしての参加にはなりますが、スポーツドクターの有資格者は元々スポーツに興味のある医師ですので、日程的に参加できる方は応募したのだと思います。

関連記事