「逆玉」は歴史的にも珍しい
秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんの結婚問題は、婚約内定の会見が実施されてから3年8か月を経過しながら、いまだ出口の見えない状態にある。
進展を阻んでいるのは小室圭さんの母親、小室佳代さんの抱える金銭トラブルで、金額の多寡ではなく対処の仕方に多くの疑念が寄せられている。苦しいときに経済的な援助を続けてくれた元婚約者に対し、不誠実にすぎるのではないかという信義の問題である。
旧華族でも高額納税者でもない一般家庭出身者と内親王の縁組には、ただでさえ多くの困難が予想されるのに、これでは先が思いやられる、と思う人も少なくないだろう。
週刊誌やテレビのワイドショーは盛んにこの問題を取り上げ、先行きの不透明さ、本当にこの結婚が成っていいのかという疑問を口にしている。
じつは、古今東西の王室を眺めても、一般の身分の人と貴族など高い身分の人の結婚(それを「貴賤婚」という禍々しい言葉で呼んだりもする)は、様々な意見にさらされてきた。過去の事例を見ることで、なぜ小室さんの問題が注目や批判を集めるのかについて考えるヒントが得られるかもしれない。

王室の歴史を眺めれば、王族の男性と平民女性の縁組は「玉の輿」と見なされた。正室にはなれないが、一夫多妻制の社会であれば側室となることは可能。中国・朝鮮のような儒教文化圏の王朝の場合、生まれた男子が後継者に選ばれれば、太后として富貴を得ることが可能だった。