2021.06.01
# 皇室

小室圭さんと眞子さまの結婚問題、ここまで批判を浴びてしまう「根本的な理由」

皇族・王族と「一般の人」の結婚の困難
島崎 晋 プロフィール

「玉の輿」は中国伝来ではなく、日本固有の成句だ。江戸幕府の三代将軍徳川家光と側室であったお玉という女性に由来する。八百屋の娘や商家の娘など諸説あるが、市井出身だったのは確かで、彼女の産んだ男子が五代将軍徳川綱吉となったことから、江戸城大奥の頂点に立つ身となった。

このように、歴史上、身分の低い女性が「玉の輿」に乗った例は、珍しいとはいえ決して稀有ではない。それに対し身分の低い男性が王女と結ばれる、男性目線で言う「逆玉の輿(逆玉)」の例は、一夫一婦制の社会では極めて稀であった。それだけに世間の注目も集まることになるわけだが。

 

駆け落ちした王女

比較的新しいところでは、中東バーレーンの例が挙げられよう。バーレーンの王女メリアム・アル・ハリファ王女はアメリカ海兵隊員と恋に落ちるが、部族制社会の慣習法では女性に結婚相手を選ぶ自由は認められず、思い余った王女は1999年、海兵隊員との駆け落ちに踏み切った。

当時の報道には、「偽造書類を使ってアメリカ入国を図ろうとした」とあるから、おそらくビザ(査証)が偽造、事によるとパスポート(旅券)からして偽造だった可能性もある。王女はアメリカ移民帰化局(INS)に身柄を拘束されるが、「帰国すると殺される」との主張が認められ処分は保留。1年半に及ぶ審議のすえ、永住権を認められた。

イスラーム世界の宗教法(シャリーア)では異教徒との結婚は認められず、なおかつ駆け落ちは保護者の同意なき性行為、姦通と見なされ、死刑の対象となる。中東地域の慣習法からしても「名誉殺人」(「誤った婚姻」をした女性を殺すこと)の対象であるから、親族がみずからの手で始末しなければならない。

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