2021.06.01
# ラーメン

「一蘭」カップ麺が490円でも「売り切れ続出」する納得のワケ

こだわりが本気すぎる…
taka :a(大石敬之) プロフィール

注目すべき “麺の溶け方” 

驚くほど高クオリティな麺

ノンフライ麺は乾燥させた後、熱湯で戻す工程を必須とするため、本物の生麺を茹で上げた直後の質感とは異なりますが、なんのこれしき非常識なほど高品質。本物の生麺と同じように加水率(小麦粉に対する水の比率)は低めの設定で、やや平打ちのストレート。

小麦の風味が強い低加水麺を彷彿とさせる、適度にザラついた舌触りもさることながら、ふわっと鼻に抜けるナチュラルな小麦感も見どころ。

なかでも注目したいのが “麺の溶け方” です。加水率の低さ(多加水麺と比較して低加水麺は伸びやすい特性)に反し、なかなか伸びにくいように工夫されているのですが、それは早くも遅くもなく、実に自然な速度でスープに馴染み、何度も試行錯誤したことが伝わってきます。

「粉末スープ」は、とんこつの骨っぽい風味を打ち出すことに長けている

小袋に「A」と書かれていた「粉末スープ」は、とんこつの骨っぽい風味を打ち出すことに長けており、原材料は「ポークエキスパウダー、たん白加水分解物、調製ラード、香辛料」とシンプルで、そのうちポークエキスパウダーが骨っぽさを打ち出す要素になっています。

また “とろみが控えめ” なのもポイントで、濃厚さを打ち出すためにスープの粘度を高める常套手段は採用しておらず、きちんと骨の旨みで勝負しているところが本格的。

「液体スープ」を加えると「本物ぽさ」に磨きがかかる
 

そして「B」と書かれた「液体スープ」を加えると、さらに骨っぽい風味が強化されるだけでなく、じっくりと炊き出したような乳化感がプラスされ、本物さながらの雰囲気をブースト。余分な癖を抑えながら、小手先の技術では表現できない “とんこつ” の旨みを打ち出し、こってりとしたオイルのコクも適切で、余韻として残る骨っぽさには思わず笑みがこぼれるほど。

お店の天然とんこつスープと比較して、100%まったく同じ味ではないけれど、お店の味を知らない方でも雰囲気が掴める臨場感を打ち出し、なおかつ本物のラーメンを食べたいと思わせる絶妙な駆け引きを実現。

これこそが “ご当店カップ麺の鑑” といっても過言ではなく、ある種の感動を覚えたのですが、さらに雰囲気を高めてくれるのが「秘伝のたれ」の存在です。

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