狂乱のビットコイン、いよいよ「バブル崩壊」が始まった…!

犯人は金融政策と「テスラ」…?
宿輪 純一 プロフィール

テスラののめり込みと撤退

さらに、その乱高下に拍車をかけたのが、南アフリカ生まれで49歳のイーロン・マスク(Elon Musk)と彼がCEOを務めるテスラ社の動きである。

テスラ社はまず、2月にビットコインの購入を開始した。さらに3月にはテスラの自動車(電気自動車)の決済(購入)もビットコインで開始した。そしてビットコインは4月に市場最高値を付けた。その後、テスラは、ビットコインを徐々に売却し、5月には自動車のビットコイン決済も停止した。

現在、世界の経済政策の最重要項目は「環境」、すなわち「脱炭素」である。その点で、電気自動車を生産しているテスラ社は環境志向の企業と思われていた。それだけに、環境に悪影響のあるビットコインの購入や取扱に関する動きは驚きを与えた。

ビットコインの特殊な取引承認(採掘)のことをマイニングというが、そのIT的な処理には、安定的に、非常に多くの電力を使用する。そのため、世界中でも電力が安い、新疆ウィグル自治区・カザフスタン・イラン等のエリアで行っている。それらの地域の発電所は安い石炭発電で行われている。

しかし、環境に関しては悪影響が大きいのである。つまり、ビットコイン等の取引をすること自体が環境配慮ではないとなっている。さらにいうと、中国では仮想通貨の取引は禁止されているが、このマイニングも影響を受け始めているといわれている。

 

足許、世界の投資資金のうち約2割が「環境」を重視しているといわれており、そのことが、金融商品の中でも、特にビットコインなどの仮想通貨の下落の一因になっているのである。

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