2021.06.05
# 企業・経営

まだ英語社内公用語化? 日本企業が「真の国際化」のために今すべきコト

実施企業の国際感覚の欠落
大原 浩 プロフィール

行うべきは「日本語の国際化」

厳密に言えば「英語社内公用語化」では無いが、仏ルノーと資本提携している日産自動車はカルロス・ゴーンを含め、取締役の多数を外国人が占めていたことから、役員会などで英語を使用してきた。

さらに4月28日公開の「東芝、マクドナルド、日産…日本企業をぶっ壊す『プロ経営者』たちのヤバい実態」で触れた、いまや「逃亡容疑者」のゴーンが長年支配してきたという二重苦を味わっている。

この日産のケースで明らかなのだが、「自国の言葉を使う」ということは「植民地」では望んでもなかなか実現できないのだ。

実際、エリート層を中心に英語が堪能な人々が多いインド、フィリピン、香港などはかつて「英語圏の国を宗主国とした植民地」であった。

クレディ・リヨネ銀行時代の同僚にR氏がいる。彼はもちろん英語が堪能で日本の国際大学(新潟)でMBAも取得していた。この大学は、学内の公用語を英語にした日本初の高等教育機関であるから、日本語が堪能ではあっても英語がネイティブランゲージである彼には都合がよかったはずだ。

その彼が、酒を飲みながらしみじみと語ったことがある。

「大原さん、フィリピンの大学での授業は全部英語なんですよね。高校まではタガログ語(英語と共にフィリピンの公用語)も結構使うんですけれど、大学レベルの教育に必要な「専門用語」がそもそもタガログ語には「存在すらしない」からどう考えてもタガログ語での授業なんて無理ですよね……これも長年、植民地であったせいなんです……」

 

1565年から約333年間スペインの植民地であり、1899年に起きた米比戦争後約半世紀、米国の植民地であったのがフィリピンの歴史である。

我々は、日本人が日本国内で日本語を自由に使えるという有り難さをかみしめるべきであり、むしろ「日本語の国際化」こそ、日本企業が行うべきことではないだろうか?

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