ナイキやアディダスは中国の「不買運動」を受け…
「ユニクロ」「GU」などを展開するファーストリテイリング(9983、以下ファストリ)の株価の下落が止まらない。
人気マンガ『呪術廻戦』とのコラボTシャツ販売やファッションメゾン「mame kurogouchi」とのコラボなど、新たな展開のニュースも多いが、ファストリ全体には「逆風」が吹いているようだ。

今年の1月14日に9万5310円で過去最高値を更新したファストリ株は、3月2日に11万500円という上場来高値に到達し、時価総額で「ZARA」を展開する西インディテックスを抜き、アパレル業界世界一に躍り出たことも話題になった。
「ところが、3月初旬までがファストリ株のピークでした。3月に入ると一気に9万円台を割って8万3000円のラインにまで値を下げ、その後9万円台後半まで値を上げることは今のところありません。
株価下落の原因のひとつが、世界的に議論を呼んでいる新疆ウイグル産の綿使用に関する問題です。グローバル企業がSDGs、ESGの意識を強く持っているのが当たり前になった今、柳井正会長兼社長がこの問題をどう解決するのか、世界の投資家も『様子見』をしているところでしょう」(株式アナリスト)
新疆ウイグル自治区は良質な綿の生産地だが、中国によるウイグル族の強制労働について、特に欧米が問題視している。
ユニクロの製品が新疆綿を使用しているかについては「ノーコメント」(柳井会長)としているが、これは同社だけの問題ではなく、日本企業でいえば同じくバリューブランドの無印良品も、新疆綿使用に関して揺れている。