学園ドラマの醍醐味が受け継がれている
16年前は、山下智久、小池徹平、中尾明慶、長澤まさみ、新垣結衣、サエコ。ジャニーズも子役系もいれば、ジュノンボーイも東宝シンデレラもと多士済々だった。
そして、今回はすでに触れた4人(高橋、平手、細田、志田)に加え、加藤清史郎、南沙良、鈴鹿央士がいる。

加藤は言わずと知れたかつての名子役。「こども店長」イメージからの脱却に成功しつつある。
南は新垣の事務所後輩であり「ポストガッキー」とも呼ばれるが、すでに映画で実績を残してきた逸材だ。来年のNHK大河ドラマにも出演する。
鈴鹿は通っていた高校で映画のロケが行われ、エキストラで参加した際、広瀬すずの目に留まって芸能界入りが決まったという「持ってる」イケメンである。
まさに「金八」シリーズや前回の「ドラゴン桜」でのノウハウ、いわば方程式がしっかりと受け継がれたキャスティングだが、それだけで成功が約束されるわけではない。ここまでの好調は、それぞれがこの共演を通して刺激を受け、相乗効果を起こしているからだろう。
たとえば、志田は2歳下の平手について「目力が魅力的」としたうえで、
「また、ダンスをされている方はお芝居でも動き方がすごいと思うことが多く(略)勉強させていただいています」(「マイナビニュース」)
と語っている。国民的グループのセンターとして「紅白」も経験した平手から、学ぶことも多いのだ。
時代の違いもあって、今のドラマが40年前の「金八」のような大ブームになる可能性は低いが、それでも今期の連ドラのなかで「ドラゴン桜」はやはり頭ひとつ抜けた存在だ。それは7人が東大に行けるかどうか、というだけでなく、これからどんな芸能人になっていくか、という関心も引き起こすからだろう。
それもまた「金八」が世に示し、受け継がれてきた学園ドラマを見る醍醐味といえる。7人にはぜひ、大スターという「芸能界の東大」を目指してほしいものだ。