コロナ禍、スムーズにはいかなかっただるま作り

大丸東京店と一千乃とのだるま作りがスタートするも、双方にとって初めての取り組みということや、コロナ禍ということもあって作業は難航をきたす。そこで橋爪さんたちVMDチームは、まず自分たちの手でだるまを作り出したと言う。

橋爪さん「一千乃さんでは、大きな水槽に専用の再生紙を入れ、柔らかくしたものを型抜きする手法でだるまが作られているんですが、POP用紙は専用の再生紙とは違う素材なので、型が詰まるリスクもあり作れないということでした。なので、その工程は我々がやることにしたんです」

再利用したいPOPを、一千乃さんのだるまに貼り付けて型を作る作業をVMDチーム自らが行った。提供/大丸松坂屋百貨店

「POP用紙を切って水に浸して柔らかくし、一千乃さんのだるまの型に貼り付けてそれを乾かす…という作業を3回くり返します。そうするとPOP用紙がカチカチに固まるので、ナイフを入れて中のだるまを取り出し、作った型にさらに貼り付けては乾かすの作業をもう2回して計5層にします。そこまでできたものを一千乃さんにお送りして、腹入れと顔入れをしてもらうというのが手順。高崎に行って一緒に作業ができれば、手直しもスムーズだったと思うのですが、コロナ禍ということもあり、打ち合わせなどはすべてオンライン。微妙な色の違いのすり合わせなどは苦労しました」

大丸・松坂屋のVMDチームがつくっただるまを一千乃さんに送り、筆入れをしてもらっている様子。提供/大丸松坂屋百貨店

だるまを使ったプロモーションにも挑戦したい

橋爪さん「この私たちの取り組みを周知してもらうため、まずは社内で従業員向けに展示する予定です。こういったサステナブルなアクションを私たちVMDチームだけではなく、従業員が一丸となって膨らませて成長させていけたらと思っています」

出来上がっただるまは社員食堂の入り口にディスプレイし、社員にも現在取り組んでいるサステナブルな活動について共有する。だるまを持っているのはVMDチーム。提供/大丸松坂屋百貨店
だるまの展示とあわせて、廃棄物削減や分別の徹底にむけて意識向上を図るためのレクチャー板も社員食堂の出口に設置している。提供/大丸松坂屋百貨店

この社内プロモーションが終わったら、Think GREENやThink LOCALなどのキャンペーンをする際のモチーフとして店内に展示することも検討中。元来、だるまは縁起物ですので、お客様のサステナブルな目標を成し遂げるための象徴のような存在になってくれたら嬉しいです。今後も、様々なディスプレイを季節ごとに作って行きますが、その都度、いかに再利用できるかVMDのみならず社全体で考え、取り組んでいけたらと思っています」

これまでは片面印刷をしただけで普通ごみとして廃棄されていたPOP用紙が両面印刷されたのち、サステナブルな方法で日本の伝統工芸品であるだるまとして生まれ変わる。まさに大丸松坂屋百貨店が掲げるThink GREENとThink LOCALの見本ともなるような今回の取り組みが、今後、どのように展開されていくか注目したい。

大丸・松坂屋が実践している環境問題への取り組み「Think GREEN」は、身近なエコアクションのヒントが満載。今後開催予定のイベントに関しても、この連載で紹介予定です。HPでも随時情報を随時発信中!

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大丸松坂屋百貨店


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取材・文/本間綾