木星の位置は動いた!? 探査機ジュノー、太陽系形成の謎を調査中!

木星の歴史は太陽系の歴史だ!

いまだ謎が残る「太陽系形成」。そのカギを握るのが「木星」なのです。太陽系が作られたころ、木星は別の場所で誕生し、いまの位置に動いたという説「グランド・タック・モデル」があります。木星探査機「ジュノー」の探査でわかった最新の研究成果を紹介します!

巨大ガス惑星 木星

太陽系で一番大きな惑星はどれだろうか?

答えは木星だ。直径は地球の約 11倍、質量は約320倍(これは太陽系の他の全惑星の合計質量の約2.5倍に相当)もある。

【写真】NASAによる木星の写真NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/ Kevin M. Gill 拡大画像表示

木星の特徴は、その大きさだけではない。

  • 高速の自転(約10時間で自転している)
  • 渦巻く雲(高速の自転によって生み出される)
  • 雷が起こる
  • 強力な放射線(地球の約6000万倍)
  • 強力な磁場(地球の約20倍)
  • オーロラが生じる
  • 79個もの衛星をもつ

など、興味深い特徴がたくさんある。

【写真】木星のオーロラの紫外線画像 木星のオーロラの紫外線画像 NASA/JPL-Caltech/SwRI/UVS/STScI/MODIS/WIC/IMAGE/ULiège 拡大画像表示

地球との最大の違いは、地球が「岩石惑星」なのに対して、木星は「巨大ガス惑星」であることだ。木星は固体の地面を持たず、水素(体積比で約89%)・ヘリウム(約10%)を主成分とする「ガス」をまとっている。水素は表面では気体だが、内側に行くほど押しつぶされて液体になり、約100万気圧の超高圧下では液体状で電気を通す「金属水素」になっている。気体・液体・金属水素部分は、まとめてエンベロープと呼ばれる。

【イラスト】探査機ジュノーの木星到着前の木星内部の模式図探査機ジュノーの木星到着前の木星内部の模式図。中心部は「密度の高い核?」と疑問符がついている NASA/JPL-Caltech ジュノーのプレスキットより  拡大画像表示

木星探査機ジュノー

2016年7月から、NASAの探査機ジュノー(Juno)が木星の探査を続けている。楕円形の軌道をとり、53日ごとに木星に接近しながら、超高解像度のカメラ(JunoCam)や、マイクロ波計・重力計・磁力計など複数の観測機器を駆使してデータを取っている。

【イラスト】木星の近くを通過するジュノーのイメージ図木星の近くを通過するジュノーのイメージ図 NASA/JPL-Caltech  拡大画像表示

木星の歴史は太陽系の歴史

太陽系の8つの惑星が、なぜ現在のこの位置にあり、この大きさになったのか。それについてはまだ謎が多い。

46億年前、太陽系ができたころには水素とヘリウムは豊富にあったが、のちに散逸してしまったと考えられている。そのため、水素とヘリウムを大量に確保している木星は、太陽系の惑星の中でも早くに形成された惑星だと考えられる。NASAも「木星の歴史を知ることは、太陽系の歴史を知ることだ」と木星探査を意義付けている。

さらに、木星のような巨大ガス惑星は、太陽系の外でも多数見つかっている(大きくて見つけやすいため)。太陽系と他の惑星系を比較し、惑星の形成について考える上で、木星がもつ意味は大きい。

研究者たちが特に知りたいのは、「木星はどこで、どうやってできたのか」だ。ジュノーでもこの謎を解くことを探査の主要目的にしている。完全に解明できたわけではないが、ジュノーの探査でいろいろなことがわかってきた。

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