2021.06.27
# インフラ

水に恵まれた日本でついに始まる「水道民営化」…待ち受ける「大きな落とし穴」

水道水を直接飲める国でいられるか?
鷲尾 香一 プロフィール

生活インフラは守られるのか

総務省の「水道財政のあり方に関する研究会」が18年12月6日に発表した資料によると、自治体の水道事業は、2016年度時点で簡易水道を含めて全国に2033。これらの水道事業の収支の状況は、2016年度において水道事業全体の収支は4044億円の黒字だが、128の事業(6.3%)が赤字となっている。この赤字事業のうち、105事業が上水道事業だ

さらに、前述したように、法定耐用年数を超えた水道管延長の割合は、全国で15%にのぼる。このため、水道利用量の減少と水道管の更新など設備更新の費用増加により、多くの自治体で水道料金の値上げをせざるを得ない状況に迫られている。

 

だからと言って、生活インフラである水道事業を、採算や利益を重視する民間運営とすることは、本当に妥当な計画なのだろうか。採算に合わない、利益の出ない地域の水道事業は、急激な料金の引き上げはもとより、サービスの停止すらあり得るのではないか。

水道事業の民間運営は、自治体や利用者が相応の監督能力があり、生活インフラとしての水道が守られていくことが大前提となるのではないか。

SPONSORED