「なにくそ根性」の押し付けをしていた
ちなみに、妊娠出産に関して、パートナーとの話し合いに、まだ折り合いはつかない。2人の問題だけではなく、妊娠出産育児にはいくつもの社会課題があることもわかったからだ。
納得はまだできないけど、一旦肩がガチガチになるほど力み、歯ぎしりをしていた自分を解放してあげようと思った瞬間があった。
2人でドラマを観ていたとき作中に、「あなたには夢とかないの?毎日早く帰ってきて同じことの繰り返しで」というセリフが出てきた。
そのとき、隣で「僕のことかな」と呟いた彼の表情を見て、私はやってしまった、と思った。無意識に『なにくそ根性』の押し付けをしてしまっていたのだ。
もし、子どもを授かったとして、この押し付けを子どもにしてしまっていたら、と考えるとゾッとした。そして、自分自身に『なにくそ根性』を押し付け続けているのかもしれないと気づいたのだ。
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「とても素敵な仕事がすでにできているじゃないか」と自分で自分に教えこまないと、関わってくれている人にも失礼だし、侵食した『なにくそ根性』は、悪さをしにまた顔を出すかもしれない。
これからは、うまく手綱を引きつつ、悔しいのネガティブなエネルギーではなく、楽しいのポジティブなエネルギーで物事に取り組んでいきたい。
なにくそ根性、成り上がり魂、上昇思考、野心。
ありがとう。さようなら。
唇を噛みながら、ギリギリを踏ん張ってきた私。
もう解放してあげようと思う。
自分のわくわくのために生きてみよう。そう思い始めてからは、結構経つはずだが、なかなか身体から癖が抜けるのは時間がかかるらしい。長い人生、浮いたり沈んだり、揺らぎがあるのは自然なことだろう。
回り回って、ギラギラなおばあちゃんになっている未来もあるかもしれない。
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