“ラグビー初心者”が注目集まる「プロチーム」の社長に…! W杯“聖地”から始まる経営者の挑戦
静岡県庁の一室に設えられた会見場には19社、28名の記者がかけつけていた。著名なラグビーライターが東京から駆けつけ、オンラインの参加も27名。テレビ局のカメラは5台並んでいた。新社長が壇上でSHIZUOKA Blue Revs(静岡ブルーレヴズ)の愛称、ロゴ、エンブレムを発表するたびにシャッター音がこだまする。会見場の熱気から、新チームと“プロ経営者”への期待が伝わってきた――。
「静岡ブルーレヴズ」、その新社長は…
6月23日、ヤマハ発動機ラグビー部が親会社から独立して立ち上げるプロチームの発表会見があった。
ジャパンラグビートップリーグは今年5月に18年の歴史の幕を閉じ、2022年1月に開幕する新リーグへ移行する。正式決定はまだされていないが、静岡ブルーレヴズもそこに参戦する可能性が高い。山谷拓志新社長はこの6月まで、プロバスケットボールチーム「茨城ロボッツ」の経営に携わっていた。スポーツビジネスの専門家だが、ラグビーについては初心者といっていい。ただそんな彼が主役としてスポットライトを浴びていた。

山谷はアメリカンフットボールの選手として慶應義塾大、リクルートシーガルズ(現オービックシーガルズ)で活躍し、引退後はチームの指導や運営に携わったキャリアを持つ。
2007年から栃木ブレックス(現宇都宮ブレックス)の社長に就き、日本一や3季連続の黒字化を成し遂げた。NBL(2016年まで活動していた男子バスケのトップリーグ)の専務理事兼COOを経て、2014年からは経営破綻を起こした茨城ロボッツ(旧つくばロボッツ)の社長に就任。再建と成長に尽力し、クラブをB1に引き上げた。

今回はそんなスポーツビジネスの開拓者にラグビーという新しい競技に賭ける思い、勝算を述べてもらった。