メガバンクに勤める副業サラリーマンが、どうしてもやりたかったこと

自信はなかった、だから必死で勉強した
副業が再び注目を集める今、本企画では、副業によって人生を豊かにしている人を紹介していく。今回は、みずほ銀行のデジタルイノベーション部で働きながら、副業で「株式会社スパイサー」の代表取締役社長を務める仲本雅至さんだ。スパイサーでは、コーチングサービスmybuddyの運営などを行っているが、始めるきっかけは何だったのだろう。「当初は自信がなかった」という仲本さんに話を伺った。

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副業を始める怖さ。でも自分を試したかった

――仲本さんは、みずほ銀行6年目でデジタルマーケティングを担われています。マーケティングは、しようと思えばどこまででもやれてしまう職種です。副業を始めるとなると相当な動機が必要だったと思いますが、いかがでしょう。

仲本雅至さん

仲本 おっしゃるとおり、やろうと思えばいくらでも際限なく突き詰めることができる業務なので、終わりの区切りは自分でつけるしかありません。その中で、当社(みずほ銀行)に副業申請をしましたが、その時は勇気が要りました。副業の内容が起業による会社経営だったので、必ずしも成功するとは限らない。気持ちを引き締めました。

――際限のない本業と、副業の時間配分をバランスよくとるのは難しいのではないですか。

仲本 時間としては副業:本業は2:8くらいですが、副業は早朝や夜、休日にやっています。完全にセパレートしています。あと、自分の時間も大切にしたいので、適宜、趣味の時間も設けています。

「副業をやると自分の時間がなくなる」とよく言われますが、いざ始めてみると、時間配分やタスクの優先順位づけで何とかなるものです。副業の時間の代わりに、「やらなくてもいいこと」は「やらない」と決めて減らしていく。それなら多くの人にもできるのでは、と思っています。

――副業をしようと思われたきっかけは何だったのでしょうか。

仲本 自分を試したかったんです。起業して、市場で戦うことで自分を鍛えたかった。でも、始めるにあたって自信がある訳ではありませんでした。なので、必死に勉強しました。

「事業づくりとは何か」「起業家とは何か」「PDCA(=継続的な業務改善のサイクル)を回すにはどうすればいいか」といった、いわゆる起業・グロース(=成長)の基本を学びました。そして、試行錯誤の末に、コーチング事業に行き着き、起業しました。