2021.07.03
# 週刊現代 # 相続 # 家族

ひとり暮らしの老親の「死後手続き」はこんなに過酷だった

すべて、子どもがやらなければなりません

遺言書の後始末にドタバタ

祈るような思いで金庫の扉を開ける。岡山県在住の金森義雄さん(69歳・仮名)は先月、ひとり暮らしをしていた93歳の父親を見送った。

「ずぼらな父は『遺言書を書いてくれ』と頼んでも『そのうちな』と言い続け、結局何もしないまま脳梗塞で意識を失い、ポックリ逝ってしまいました。

実家の2階にある金庫の中に、もしかすると何かあるんじゃないかと思ったのですが……」

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果たして、中には一通の封筒があった。家庭裁判所で検認手続きをすると、確かに父の筆跡で「預金は全て妻に渡す」と書いてある。

だが口座の情報や、不動産など他の財産については何も書かれておらず、署名だけで日付と捺印はなかった。

「そもそもこれでは遺言書として無効だし、母は5年前に亡くなっています。結局、長男の私が父の全財産を洗い直し、書類を手配し、3人のきょうだいを取りまとめて相続手続きを主導せざるを得なくなりました」

 

日本では現在、75歳以上の高齢者350万人がひとりで暮らしている。

だが「終活」が常識になったのはごく最近。齢90歳を超えて、準備万全という老親は稀だ。

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