資産運用トラウママップとは
トラウママップは、縦軸が投資開始年で、横軸が投資年限を示し、毎月1万円を日経平均にコンスタントに投資した場合の利回り(年率、複利)を示している。
ここで、最も下の2020年に開始した世代の1年間の投資利回りは22.0%となる。また、上から5番目の1984年に開始した世代では、37年の運用利回りは1.6%となる。
1981年に開始した世代から始まり、2020年に開始した人まで、昨年末に至るまでの運用利回りは対角線上に示される数値になる。どれもプラスが確保され、長期にわたって投資を行えば、利回りはプラスになる長期投資のメリットを示している。
ここでの問題は、1990年代のバブル崩壊時の株安や、2000年代半ばのリーマンショック後の株安などを経験することで生じるマイナス利回りの期間にあり、それは投資へのトラウマにつながる。
このトラウママップでは、損失が生じた期間を水色でトラウマとして示し、運用利回りがプラスの局面をオレンジ色で示した。全般的に上に行くほど(運用期間が長期化するほど)、水色のマイナス、トラウマ地域が大きい。
トラウマにおける世代間ギャップ
このトラウママップで注目されるのは世代間ギャップである。
ここでは、投資を開始した時期を社会人になった頃と想定し、次の図2の4世代に分類した。
それは、1)2013年から2020年に運用を開始したと想定される20代を中心とした「アベノミクス世代」、2)2003年から2012年に開始した30代と想定される「雪解け世代」、3) 1993年から2002年に開始した40代と想定される「氷河期世代」、4) 1983年から1992年に開始した50代と想定される「トラウマ世代」である。
■図2 トラウママップの世代別状況

(岡三証券作成)