自民党が臆面もなく、差別を助長するようになったキッカケは秋葉原にあり!?

この国を覆う憎悪と嘲笑と濁流の正体4
青木 理, 安田 浩一 プロフィール

右翼団体が韓国とのパイプを失ったワケ

安田 そういうことです。旧日本軍の影響を受けた親日派的な存在はかつては韓国軍人のなかに多かった。日本の右翼はその層と反共という点で一致し、同時に日本政界との利権のパイプ役となり、固く結びついていた。ところが文民政権になってからは韓国社会も変化し、民主主義を成熟させ、日本の右翼は韓国とのパイプを失うわけです。

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かつての親韓派である右翼幹部は私の取材に対し、「我々は韓国の民間にもパイプを持つべきだった。そうしたら日韓の右翼は団結できたかもしれない。しかし我々は軍としかつきあいがなかったから、韓国自体とのパイプが断ち切られた。そうなると韓国を、日本の国益という視点だけで見るしかない。そうすると我々は韓国の反日が許せない。竹島をめぐる領土政策が許せない。我々としては韓国の内情に深く関われないし、内情を知る機会も手段も持つことができないから、こうしたスローガンしか出てこないわけだ」と解説しました。たぶんそのとおりだろうなという気がします。

そういったかたちで、民間の右翼から政権に至るまでが、21世紀に入って、色彩を変え、姿を変え、内実を変えていく。排除の空気がどんどん広がっていく。それにともなって、社会もメディアも、そうした気配に感染してよりいっそう、差別的で排他的な社会が作られたのかなという気がしますね。

次回は『安倍晋三一族と在日コリアンの濃密な関係​』です。明日更新!
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まえがき 切り捨ての時代を招いたもの
第一章    対韓感情悪化の源流とそれをもたらした日本社会の構造的変化
第二章    友好から対立へ 日韓それぞれの事情
第三章    恫喝と狡猾の政治が生む嫌な空気
第四章    社会を蝕む憎悪の病理 ヘイトクライムを生む確信犯的無責任と無知
あとがき 矛盾から逃げてはいけない

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