『浪費図鑑』の編著者であるひらりさが、「普通の幸せ」からはずれた女性たちの話を聞き、書き綴る本連載。
「【前編】“不倫の沼”にハマった32歳OLが、幸せになるために下した「まさかの決断」」では、不倫関係にあった10歳年上の男性と別れて、他の男性と結婚を視野に入れた交際に踏み切ったものの、結局元彼のもとに戻ったところまでをお伝えしました。
後編では、ワンルームでのふたり暮らしに限界を感じたチヤコさんが、マンション購入に踏み切るところから始まります。
海の見えるタワマンに住みたい
家を買うという選択肢が出てきたのは、二人の交際八年目。25平米のワンルームでの同棲にさすがに限界を感じ、「もっと広い家に住みたい」と思ったのがきっかけだった。
「同棲って言っても、相手がうちに転がり込んでる状態が続いてただけですから。でもほぼうちで暮らしてるから、相手の荷物、とくに洋服がたくさん持ち込まれてたんですよ。
彼、見た目が若くて着道楽だったので、かさばって重たいジャケットとかが死ぬほどあって。コイツの服で部屋の体積の何割か占められてる! って状態でした。デスクとベッドを置いたらぎりぎりの部屋だから、私が寝ている横でごはん食べたりしてるし……」
意を決して相手に引っ越しを提案したところ、「チヤコちゃんの好きにしたら?」とまったく気のない返事が返ってきた。
「全然協力する気ないですよね(笑)。私はというと、ちょうど会社の先輩が一人で暮らしている豊洲のタワーマンションにお邪魔する機会があって、『私も海の見えるタワマンに住みたい!』と欲望を刺激されたところだったんです。
会社でも給料のベースがかなり上がってきた時期だったのもあり、これはもう一人でマンション買っちゃおうと決意しました」
マンション購入セミナーなどにせっせと通い、知識を得て物件選びに猛進。お互いの職場に近く、元の家の1.5倍以上の広さがある、海が見える新築タワーマンションの1LDK約40平米の一部屋を見つけ、検討一ヵ月で購入に踏み切った。そのお値段、5700万円だ。