安心した老後を過ごすために
「家は三度建てないと理想の家にならない」といわれる。それほど理想の住まいを実現するのは難しいということで、一度目の購入ですべて満足できる住まいを手に入れるのは至難の技と言っていい。
せめて早めに最初の購入を済ませて、元気なうちに買い替えて、安心して老後を過ごせる住まいを確保しておきたいものだ。 そのためには、いつまでに一度目の購入を済ませておけばいいのだろうか——。

実際に、人々が何歳ぐらいで一度目の住宅取得を経験しているのかをみると、国土交通省の調査では、図表1にあるような結果だった。
図表1 :取得した住宅形態別の一次取得者・二次取得者別の平均年齢(単位:歳)

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一次取得者、つまり初めて住宅を取得する人の平均年齢は物件形態によってかなりの差があるが、分譲戸建て住宅、いわゆる建売住宅が37.4歳と最も若く、次いで注文住宅が38.9歳、分譲マンションが39.3歳で、中古戸建て住宅と中古マンションは40歳代となっている。
新築住宅に関しては30歳代の後半、中古住宅は40歳代の前半と、新築と中古で年齢がかなり異なっている。
それに対して、二度目の購入の二次取得者の年齢は、一次取得者の平均に比べて総じて10年から20年程度年齢が高くなっている。特に、注文住宅や分譲マンションではその差が20年前後に達しており、二次取得者の平均年齢は60歳に近づいている。