2021.07.14
# アパレル

“全負け”のアパレル業界で、なぜ「アルペン」だけが一時金7億円を出せたのか?

大盤振る舞いとも思える対応のウラ側
磯部 孝 プロフィール

売上げが伸長している訳ではない

直近5ヵ年のアルペンの業績一覧表

売上高は210,000百万円以上を維持しながら横ばい傾向にあるものの、当期純利益でマイナスを出した年は2期ほど。

2016年期は、2013年から8店舗まで広げていた中国事業の撤退・清算と熊本地震における店舗の減損処理による特別損失。そして直近の2019年期は、大規模リストラによる特別損失の影響と見られる。

当時のアルペンは、競技スポーツ市場の縮小や、夏場の台風の影響によるレジャー関連用品の不調などで業績が悪化していた。その後2019年1月に、アルペンは会社設立以来の初となる早期退職者応募を行った。

45~64歳未満の社員を対象に全社員の約1割にあたる300人で応募したところ、計画を上回る355人の早期退職希望者が集まった。規定の退職金に加えて、特別加算金も付与したことから2,100百万円の特別損失として計上していた。

アルペンで働く45~63歳の社員は、入社年度で考えるとおおよそ1978~1996年頃の入社した人たち。72年創業の同社とって78年ころの入社組は、アルペンの創成期を知る人たちで、同社のPB商品開発を目的としたジャパーナインターナショナル株式会社(現・株式会社ミズノ・インターナショナル)の設立年度にもあたる。

 

やや古い記憶になってしまうが、アルペンを一躍有名にしたCMソングは広瀬香美の「ロマンスの神様」をご存知だろうか。

オリコンチャートでも1位に輝いたのは1993年のこと。1995年には大沢たかお主演映画「ゲレンデがとけるほど恋したい」の製作を手掛けたのもアルペン。そんな破竹な勢いを感じさせる時に入社を果たした人たちが、早期退職募集の対象となった。

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