2021.07.14
# アパレル

“全負け”のアパレル業界で、なぜ「アルペン」だけが一時金7億円を出せたのか?

大盤振る舞いとも思える対応のウラ側
磯部 孝 プロフィール

2019年には大規模リストラを行ったばかり

リストラは同社の収益性を高めるための苦肉の策で、同社は早い段階から自社製品の開発を推し進めて高収益モデルを築いていた。2008年、2013年当時の決算では営業利益率が4~5%あったものの、暖冬やスポーツレジャー離れ、競合社の増加による値引き合戦などが相まって営業利益率は次第に低下。不採算店の撤退(中国事業を含む)や、業態を変えたリニューアルなど収益改善に取り組んでいたが結果は出ず、早期退職者を募って収益改善という策に至ったようだ。

その結果、2020年期はコロナによる休業などの影響によって、収益改善とまでは至らなかったものの、2021年6月期の3Qでは販管費を前期比で3,282百万円も低く抑えられ、営業利益も11,435百万円と営業利益率が6.7%と収益が改善できた。今回の一時金給付の原資はこの部分によるものという見方もできる。

 

次に直近の売上構成比を取り上げたい。

主軸の「一般スポーツ」が57.1%を占め、次いで「ゴルフ」が37.4%、「ウィンター」が3.8%の順。前年比較で見ると「ゴルフ」部門だけが111.9%と2ケタ増。今回の一時金が支給出来たもう一つの理由は、この「ゴルフ」部門の業績アップによるものだと指摘しておきたい。

ゴルフ業界は長年、プレイヤーの高齢化、若者のゴルフ離れで厳しく、人気商品の値引き合戦も目立っていたが、コロナによって状況を一変させたようだ。

photo by iStock
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