自分たちが老いたときを考えると
加藤さんが今の気持ちをこう言います。
「親を私の家の近くに呼ぶことは、親の精神的にも金銭的にも難しかった、自分がそうしたかったので、自分が単身で介護をすることを選んだことは後悔していません。
誤算といえば、介護についての知識がほとんどなかったことと、これほど長期になるとは思っていなかったことでしょうか。
そしてなにより妻との関係。いずれお互い介護が必要な年代になったとき、どうなるのかを考えるとやはり不安ですね。
事態が変わればまた新たな決断がいることもあるかもしれませんが、多分、自分も妻もそれぞれ東京と岩手で介護施設に入ることになるのではないでしょうか。子どもたちは東京なので、妻の面倒をみてくれればありがたいですね」
親を大切に思う気持ちは大切ですが、介護は決して気持ちだけではできません。現実を知り、充分計画を立ててから行動することが大切です。