渡部准教授が昨年行った実験では、ランニング中の場合、マスクを着用していても外していても、運動を行っている人から出るエアロゾルの流れ方はほとんど変わらなかったという。
「しゃべることで飛沫が発生しますが、それ以外にはあまり変わりません」(同上)
また、水泳についてもマスク着用の必要はないと話す。
「これまでの感染事例を見ても水中での感染よりも、ロッカールームなど水の外での感染がほとんどです。学校のプール内の授業ではマスク無しでも問題ないかと」(同上)

登下校や屋外活動中はマスクを外してOK
小学生の場合、常時マスクを着用する必要はないという見解を示すのは、富山大学附属病院の小児科の種市尋宙医師だ。
「日本の場合、大人も子どもも一律の感染症対策となっていますが、ここに問題があると思っています。新型コロナウイルス感染症はインフルエンザなど他の感染症とは明らかに感染伝播や重症度に違いがあります。さらに過剰感染対策は子どもたちに大きな負担となっており、子どもの対策は分けて考えた方が良いと思っています」
欧州ではすでに13歳未満の子どもについてはマスクの必要はないとしている。実際、日本国内の状況を見ても、小学生以下の子どもが重症化する事例は極めて少なく、昨年6月の学校再開後からの調査を見ても、小学校でのクラスターは全国で0.18%とかなり低い。感染経路をしらべると約7割~8割が家庭内感染だった。