幼稚園と保育園は何が違うのか

働く母親にとって、保育園はなくてはならない存在だ。まだ歩けないうちから預かってくれ、おむつを替え、栄養バランスの考えられた食事を与えてくれ、規則正しい生活まで身に付けさせてくれる……。多くの親は、総じて保育園に感謝の念を抱いて仕事に向かっているのではないだろうか。

しかし、一歩外に出てみると、世の中には思いも寄らない「保育園への偏見」が存在しているという。すなわち、「(幼稚園と比べて)保育園は劣っている」というレッテルである。

そもそも、幼稚園が文部科学省管轄下の教育施設(学校教育法に基づく学校)であるのに対して、保育園は厚生労働省管轄下の児童福祉法に基づく児童福祉施設である。

従って、幼稚園では、義務教育の基礎を培う事が保育の目的とされており、園はそれぞれに独自の教育方針等を設けて特色を出している。一方、保育園では、保護者の委託を受けて幼児を保育する事がその設置の主たる目的であるため、数年前まで幼児教育の場であることは明確に示されていなかった。

最近では、自治体からの委託を受けて民間業者が運営している私立認可園などを中心に、このところ多様な教育プログラムを提供する保育園も増えてきてはいる。

しかし、親が教育方針等を基に入園したい園を選択し、直接申し込むことができる幼稚園とは異なり、保育園(認可園)は自治体経由で申し込みを行い、応募多数の場合は家庭の状況に応じた点数制度により入園の可否が決められるため、充実した教育を与えてくれるような人気園に誰もが子供を預けられるわけではないのが実情だ。

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習い事で仲良くなったママ友たち

A子さん(金融系勤務、フルタイム、4歳女の子の母)は、比較的教育面でのサポートが手厚い保育園に娘を通わせていたが、とある出来事をきっかけに保育園への偏見を目の当たりにし、仕事をセーブして幼稚園への転園までをも一時期検討したという。A子さんの身に何が起きたのか、お話を伺った。

「幼稚園でいう年少の夏頃から、なんとか仕事をやりくりして一日だけ早お迎えをし、娘を近所で評判の良い体操教室に通わせ始めました。ずっと仕事が忙しく、娘が何も習い事などをしていない事が気になっていて……そんな中、コロナ禍もあって柔軟な勤務形態ができるようになったこともきっかけの一つでした」

そう話してくれたA子さんは、勤務先では責任ある立場だというが、おっとりした雰囲気で、何人も部下がいるようにはとても見えない優し気なママだ。

娘さんは、新しい環境にもすぐ慣れて、体操教室をとても楽しみにするようになったという。

「体を思い切り動かしたり、ダンスを踊ったり、とても楽しかったようです。それに、保育園とは違う新しいお友達が増えたこともとても喜んでいました」