2021.07.16
# 就活

大学院生の17%が「300万の借金」でも「給与はよくない」…科学技術立国を謳うニッポンの地獄

学べば学ぶほど経済的に苦しくなる

大学院で学ぶことは、経済的に大きな負担を“背負いこむ”。

大学院の修士課程を修了した学生の35.9%に返済義務のある奨学金や借入金があり、16.5%の学生が300万円以上の借入金を抱えている。

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文部科学省の科学技術・学術政策研究所は6月29日、「修士課程(6年制学科を含む)在籍者を起点とした追跡調査」を発表した。

これは、対象を博士(後期)課程に進学する前段階である修士課程(6年制学科を含む)の修了(卒業)者及び修了(卒業)予定者を対象に実施されたもの。有効回答数は1万6311名だった。

4年生大学を卒業すると「学士」という学位が認められる。さらに、大学院に進学し、一般的には2年の修士課程を修めると「修士」という学位が認められる。その後、一般的には3年の博士課程を修めると「博士」という学位が認められる。

大学院の修士課程修了者の進学は2000 年度以降、減少傾向が続いている。2000年度の進学者数は9333人だったが、2020年度には6961人まで減少。進学率も2000年度の16.7%から2020年度には9.4%にまで低下した。(表1)

表1:修士課程修了者の「進学者数」と「進学率」/文科省の「修士課程在籍者を起点とした追跡調査」より筆者作成

進学者数の減少、進学率の低下の要因の一つとしてあげられるのが“経済的な負担”だ。

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