「4カ月後に2.5倍にする」
本当に儲かる話であれば、他人には教えないもの。もし、そうした話を持ちかけられれば、「詐欺に間違いない」と、話す人が多くいます。
確かにもっともなことなのですが、ありえないような話を信じさせるところに、詐欺の本質があります。「ひょっとして」「もしかすると」そうした心持ちのなかで、相手の心をだましへと引きずっていくのです。

今月、「AI(人工知能)を使って、仮想通貨を運用すれば儲かる」とのプロジェクトを持ち掛けて、多くの人たちから投資金を集めていた男4人が、愛知県警により詐欺容疑で逮捕されました。その金額は60億円以上ということですから、かなりの額です。
この時の誘い文句は「4カ月後に2.5倍にする」でした。つまり、100万を預けたら、250万円になるということです。
「そんな馬鹿な!」「そんなうまい話はあるわけがない!」
このニュースを聞いた人たちが、このような意見を述べる気持ちもよくわかります。
しかしこれは第三者の目で見ているから言えることであって、当事者になると違った世界が見えてくるものです。真に騙されない術を考えようとすれば、この考えだけで思考を止めずに、もう一歩先を見てみる必要があります。