孫正義を「孫ちゃん」と呼ぶ…ソフトバンク取締役「72歳天才女性投資家」のスゴすぎる正体

孫正義を「ちゃん」付け

「孫さんは20代から神童や天才と呼ばれていましたけど、とても緻密なところと幼いところを合わせ持った人。だから可愛いと思っていて『孫ちゃん』と呼んでいました」

今年72歳になるその女性は、みなとみらいの一等地に建つ自社ビルの応接室に早足で入るなり、身振りを交えながらやや早口で語り出した。首元や指には、宝石で装飾を施したアクセサリーが光を放っている。

「彼は前回の決算で赤字になったことを落ち込んだ声で話していました。私は投資に損は付き物よ、早い段階で良かったじゃない、次回はこの経験が活きるわ、と慰めたのよ」

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本誌記者にこう語る女性こそ、襟川恵子氏(72歳)。『信長の野望』などの大ヒット作を世に送り出したことで知られるゲーム会社・コーエーテクモホールディングス会長であり、創業者・襟川陽一氏の夫人である。

5月21日、ソフトバンクグループの会長を務める「孫ちゃん」こと孫正義氏から突如、社外取締役候補として指名を受けたことで、襟川氏は経済界の話題を一挙にさらった。

彼女は「シブサワ・コウ」の名で知られる天才ゲームデザイナーである夫に比べれば一般的な知名度はなかったが、コーエーテクモのカリスマ経営者として、そして投資家の間では「株式投資の女王」として知る人ぞ知る存在だった。

 

コーエーテクモホールディングスが発表した「令和3年3月期決算短信」によると、税引き前利益は過去最高の約391億円に上る。

そのうち有価証券売却等による営業外収支は約149億円。実に38%もの利益を株式の売却等により挙げている。現在の運用金額は1200億円もの規模だ。

これほどの巨額資金の運用を一手に担い、成功を収めているところに襟川氏の特異性が表れている。

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