新任副社長の憂鬱
永山氏が追われた株主総会で、新たに副社長に就いた畠澤守氏も、自宅で本誌の取材に答えた。
原子力部門出身の畠澤氏は、次期社長候補―つまり、崩壊してゆく東芝で「しんがり」を務めることになる人材のひとりとも言われる。
東芝はこれからどうなるのか、と率直に問うと、こう述べた。
「取締役になったばかりなので、お話しできることはありません。今後のことは中期経営計画の『東芝Nextプラン』で示すことになります。
見直すべきところは見直し、引き継ぐべきところは引き継ぐ。まだ社内で議論しているところです。あとは、頑張ります、くらいしか今は言えません」
今、東芝が「最終局面」へとさしかかっていることは誰の目にも明らかだ。しかし経営トップ層の口から、具体的な道筋が示されることはない。
延命に延命を重ねてきた東芝に、まもなく本物の終焉がやってくる。
『週刊現代』2021年7月10・17日合併号より