言うまでもなく、分散投資の一番の目的は、異なる値動きの資産を組み合わせて保有することで、リスクを抑えて好リターンを目指すことです。私たちの年金資金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)なども、国内外の株式と債券に25%ずつ投資することを基本とした分散投資を行なっています。
しかし、数百兆円を運用するようなGPIFや数千億円を運用する機関投資家たちと、私たち個人が投資する方法が同じでいいとは必ずしも言えません。実際、 「彼らのようなプロが運用しているなら良い運用に違いない」と真似をして運用している方や、「分散投資すれば大丈夫」と信じて投資をしていたものの、あとで「思っていた投資と違う」という方も散見されます。
分散投資、その2つの注意点
そもそも分散投資をする人は何をめざしてその手法を採用しているのか、思い出して下さい。
私は日常的に多くの方から資産運用に関する相談を受けていますが、分散投資を選んだ方に話を聞くと、「値動きが安定した運用をしたいから」「大きく損をしたくないから」「一つの資産に投資をしたくないから」など、高いリターンを期待するという意見よりも、どちらかといえば減らしたくないという「資産を守る」というニーズの方が多いようです。
減らしたくないけど、預貯金よりも多少は儲けたい。簡単に言えば、そんなところでしょうか。
そこで、まずは分散投資をする前に、主な投資先となる株式や債券について、知っておいて欲しいことをお伝えします。