分散投資をする前に知るべきこと(2)
分散投資で債券に投資する理由は?
また、投資する資産を分散させる場合、ある程度の値上がりを期待するなら株式への比率が高くなり、リスクを抑えた投資をするなら債券への比率を高くすることになります。これは投資家のニーズに合わせて分散投資を行う「ファンドラップ」や「ロボアドバイザー」で、投資している資産の割合もそうした傾向があります。
これは教科書的には正解なのですが、市場は常に変化するもので、その時々により正解は一定ではありません。
特にここ数年は世界的に金利が下がり続けており、各国の10年国債利回りをみてみると、ほとんど利回りが0%に近い状況になっています。一部の国ではいまだにマイナス利回りも場合もあります。

しかも、ここで注意しなければいけないのは、あくまでリスク・リターンは過去の値動きを元に計算されているということです。2008年のリーマンショック前であれば、日本の10年国債利回りも1〜2%、米国に至っては4〜5%程度で推移していました。それが今では、日本は0.1%程度、米国でも1.2%程度まで落ちています。
果たして、こうした超低金利しか付かないものに投資する価値があるのでしょうか。
特に国内債券であれば、債券にするよりも、ネット銀行に預けた方が同じような利率でより安全に利息を得られることもあります。