「死刑賛成派」も知っておくべき「日本の死刑制度」驚きの“ほころび”

アメリカとの比較で見えること
丸山 泰弘 プロフィール

また、死刑事件にかかわる場合に、弁護団は死刑事件の経験者など弁護人2人以上、減軽専門家(Mitigation Specialist)、そして調査員(Investigator)と呼ばれる人たちで構成されなければならない。これはABA(米国法曹協会)が定めた基準だ。

このように、アメリカでは究極の刑罰を決める裁判にあたっては、その手続も究極であるべきだとして、超適正手続(スーパー・デュープロセス)というものがある。

 

ほかにもアメリカでは、死刑をめぐる様々な議論が提出されている。とくに興味深いのは、ハリー・ブラックマン連邦最高裁判事や、167名の死刑確定者を一括して減刑したイリノイ州知事であったジョージ・ライアンなどの「新しい冤罪論者」と呼ばれる人たちの存在である。

ブラックマン判事はニクソン大統領によって指名された共和党からの保守的な立場を期待されていた裁判官であったが、「手続き的違憲論」と言われる立場をとり、死刑制度について反対意見を述べている。

ブラックマン判事やライアンは、いわゆる従来の冤罪論で死刑制度に反対したのではない。リベラル支持者などの人権派が主張するように、残酷な刑罰の禁止や人権問題として反対したのでもない。

彼らは、冤罪ではなく、事実認定としてその人が犯人であろうとも、誰が死刑に値する人なのか、そして誰が無期懲役に値する人なのか、などを認定するのが困難で、公平性を求めるアメリカ憲法の要請に応えられない制度であるならば、制度そのものに不備がある(だから死刑に反対)という立場である。

例えば彼らは、これまでの様々な事件を引き合いに出しつつ、同じ前科数や被害者の数、計画性の有無が同一であっても必ずしも同じ量刑となっていないことを問題視している。さらに言えば同一事件の共犯関係であっても、より責任の少ないかもしれない共犯者だけが死刑判決となっていることがあるという。それは本来なら裁判で証拠によって立証されるべきであるにもかかわらず、量刑の判断の材料については明確な証拠が存在せず、公平性が保てていないという指摘であった。

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