2021.07.30
# 夫婦生活 # 不倫

不倫相手の子どもを産んで、夫と育てた、52歳主婦の「ヤバすぎる過去」

私たちの「幸と不幸」(2)前編

家族や夫婦関係での葛藤を経験した人々への取材を通して、さまざまな家族のあり方、幸福や不幸の形を考えるこの連載。今回は、夫がいながら不倫相手の子を身ごもり出産して、夫と一緒に育ててきた主婦・サナエ(仮名・52)に話を聞いた。

見た目は「普通」の人

サナエには同い年の夫とふたりの息子がいる。今年28歳になる長男は就職を機に実家を出てひとり暮らしをしていて、サナエは夫と21歳になる大学生の息子と一緒に暮らしている。

サナエによれば、次男は夫とのあいだではなく、不倫相手とのあいだに生まれた子どもだという。しかも夫は、次男が自分の子どもではないことを知りながら、父親としてこれまでサナエと一緒にふたりの息子たちを育ててきた。

穏やかで落ち着いた口ぶりで話す、顔からは笑みを絶やさない目の前にいるサナエは、どこから見ても年相応の「普通」の人だ。堅実で安定した生活を送っているんだろうな、と思えたので、実は……と打ち明けられて心底驚いた。そして、それ以上に興味が湧いた。

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不倫をしたことや、不倫相手の子を妊娠したことのある人はいるだろう。しかし、身ごもった事実を配偶者に打ち明けて、出産し、その子どもをお互いの子どもとして夫婦で育てた人はあまりいないのではないだろうか。

なぜサナエは不倫をしたのだろう? どんな思いで不倫相手の子どもを産むと決めたのか? その決意を、夫はどういう考えから受け入れたのか? 子どもはその事実を知っているのだろうか? 話を聞くうちに、疑問ばかりが増えていった。

本稿はそうした疑問の数々をサナエにぶつけてみて返ってきた答えを、否定も肯定もしないまま事実としてまとめたものだ。

気づいても、何も言わない夫

サナエが不倫相手と出会ったのは26歳のときで、20歳で結婚していた夫とのあいだには2歳の長男がいた。

不倫相手は4つ年下の同僚で、親しくなってすぐに関係を持ったという。若くして結婚したサナエにとって、それは初めて経験する「恋愛」だった。

「夫とは違い、相手は自分のことをあまり語らないミステリアスなタイプで、そこに惹かれました。私に夫がいることを除けば、普通の恋人同士のような関係になりました。体の相性も良く、離れていると会いたいと思い、会うと離れたくないと思えました」

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