2021.08.04
# 企業・経営

「EVシフト」がここへきて急加速、いよいよ「日本の雇用」が決定的に失われていく

加谷 珪一 プロフィール

国内ではEUの方針表明はあくまで方針表明であって、簡単に実現するかどうかは分からないといった悠長な意見も聞かれる。だが、グローバル・ビジネスというのは、こうした日本人的甘えが通用するような世界ではない。

自動車の開発や生産のサイクルは長く、開発投資や設備の減価償却には相応の期間が必要となる。2035年までの実現が困難となり、仮に5年延期された場合、政治の世界では責任問題など様々な動きにつながるのかもしれない。だが、長期の設備投資を行っている企業にとって5年のズレなど些末な問題に過ぎないのだ。

2035年であれ2040年であれ、EUという米中に並ぶ事実上の超大国が、ガソリン車全廃の方針を打ち出した事実は極めて重い。もしこのタイミングで完全なEVシフトを実現するつもりならば、今すぐにでもガソリンエンジンの開発をやめるくらいのスピード感で対応しなければ、到底、間に合わないだろう。

 

実際、EUの方針表明を受けて、独メルセデス・ベンツは2030年にもすべての車種をEV化する方針を打ち出した。GM(ゼネラルモーターズ)は2035年までに乗用車を全面的にEV化する戦略をすでに表明しているし、GMと提携しているホンダも2040年までに世界で販売するすべての新型車を、EVか燃料電池車(FCV)に切り換えると発表している。

ホンダの三部敏宏社長は、EUの方針表明を受けてスケジュールの見直しを示唆しているし、GMもさらに時期を前倒しする可能性が高い。今後、多くのメーカーが雪崩を打ってEVシフトを加速していくだろう。

テスト走行するホンダのEV〔PHOTO〕Gettyimages

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