トップモデルとして第一線で活躍しながら、サステナビリティを体現するライフスタイルを発信している森星さん。国内で過ごすことを余儀なくされている今、日本に根付いている考え方や文化から、サステナビリティを改めて感じていると語ります。消費しすぎることなく、気持ちがよいことをファッショナブルに楽しみたい。そんな森さんの、持続可能な暮らしのための考えとは。
この幸せが続くために地球を
大切にしなきゃ、と思えるように
29歳の私が等身大で発信できることを
生き方を提案するモデルとして、自身の方向性をシフトして以来、サステナブルフードトラック「エデン」や、期間限定ライフスタイルショップのディレクションといった活動も注目されているモデルの森星さん。日頃から本を読んだり、いろいろな人に話を聞くなどして、SDGsについて学んでいるのだとか。そんななか、近頃改めて気づいたのは、日本には昔から持続可能な暮らしを実現するヒントがたくさんあるということ。
「以前はとかく日本の外に興味が向いていました。でも今、海外へ出かけられなくなったこともあって、日本の内側にも目がいくように。SDGsという視点において日本は、ジェンダー平等や気候変動対策など、世界各国に比べて遅れていると言われがち。でも私は、知るほどに日本には素晴らしい文化がたくさんあると感じています。特に“もったいない”という考え方、物を長く使う心が根付いていることは誇るべき。私の祖母も、戦後のものがない時代にバラバラの布をつなぎ合わせることから、ファッションの世界に入った人なんです。そういう知恵や感覚を、きちんと次世代に引き継いでいきたい」

すべての従業員が安全な労働環境を保証されているという規格を取得し、アトリエはファッション企業として初めて、環境評価制度LEEDの最高レベルであるプラチナ認証を取得しているという〈ボッテガ・ヴェネタ〉。レザーをなめす際はクロムフリーを心がけており、カーフとラムは食肉に使用した動物のスキンを利用。フェザーやウールなどの素材においても、動物福祉に配慮し、飼育環境をきちんと管理したファームとパートナーシップを結ぶなど、素材のトレーサビリティを確保している。ニットトップ¥1650000、デニムパンツ¥2090000/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン(ボッテガ・ヴェネタ)☎0120-601966
もちろん、世界に学ぶべきことはたくさんある。だけど森さんは、ネガティブな部分にフォーカスするよりも、いい部分に注目し、それに誇りを持つことで、より良い暮らしを広めていきたいと言う。
「いい香りの花に囲まれて、暮らしが循環することが気持ちよくて。環境によくないってNGを連ねるより、この幸せが続くために地球を大切にしなきゃ、と思いたい」
そんな自身の考えを発信する場として、いつかヴィレッジを作りたいと考えている森さん。その第一歩として、東京近郊の自然豊かな場所に暮らしの拠点を持つことを決めた。
「移住や二拠点暮らしをするなら、ルーツやストーリーがある場所を選びたい。それは私にとって、やっぱり東京近郊なんですよね」

牧場に併設されたイングリッシュガーデンでは、「今年は気候変動のせいか、例年よりも花が咲く時期が早くて」というガーデナーの話に興味津々の森さん。撮影中に切ってもらった花を大切そうに抱えて持ち帰っていた。モード界でいち早くサステナブルファッションを実現してきたブランド〈ステラ マッカートニー〉のウールニットは、コミックに登場するようなスーパーヒーローの絵柄に「ECO HERO」のグラフィックを合わせた遊び心のあるデザイン。ニットトップ¥154000、パンツ¥146300/ステラマッカートニー カスタマーサービス(ステラ マッカートニー)☎03-4579-6139